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時空間表現としての絵画  新刊

制作学と美術教育からのアプローチ

時空間表現としての絵画

絵画が空間だけでなく時間の表現も可能であることを、作品分析と心理学的根拠の両面から解明する。

著者 長尾 寬子
ジャンル 教育 > 教育学
出版年月日 2017/08/30
ISBN 9784571101816
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 本体4,000円+税
 

目次

 第1章 序論──本書の目的と構成

第1部 絵画と時間表現
 第2章 絵画における時間表現研究の歴史と目的
  第1節 絵画における時間表現の定義
  第2節 先行研究の検討と第1部の目的
   1 ドイツ語圏、フランス語圏での研究
   2 ゴンブリッチと心理学での時間表現研究
   3 第1部の目的

 第3章 絵画における時間表現の理論的検討
  第1節 「空間芸術」という伝統的絵画観の起源
   1 『ラオコオン』と空間芸術としての絵画
   2 シャフツベリとハリス
   3 写真と絵画
  第2節 時間表現の心理学的根拠
   1 ゴンブリッチの問題提起
   2 時間表現としての絵画
   3 心理的時間と時間表現
  第3節 時間表現としての絵画と「時間芸術」との比較

 第4章 絵画史に見られる時間表現の方法の実証的検討
  第1節 類型化の目的と方法
  第2節 西洋絵画史における時間表現の方法の類型化
   1 西洋絵画における時間表現の10の類型
   2 西洋絵画における時間表現の展開と遠近法の成立
  第3節 中国・日本絵画史における時間表現の方法の類型化
   1 中国・日本絵画の時間表現の類型化
   2 西洋絵画の時間表現の方法との比較
   3 西洋絵画との時間表現の差異の解釈
  第4節 東洋的時間表現としての絵巻
   1 絵巻と時間表現
   2 異時同図法をめぐって

第2部 絵画と空間表現
 第5章 遠近法と空間認知のメカニズム
  第1節 はじめに
   1 第2部の構成
   2 本章の目的と概要
  第2節 パノフスキーによる遠近法の定義とその問題点
  第3節 視知覚によって把握された空間と現実の空間との相違
  第4節 遠近法の心理学的な根拠
   1 単眼網膜像における奥行きを把握するための手がかり
   2 単眼網膜像と日常的な視知覚
  第5節 小括──遠近法と視覚印象の違い

 第6章 絵画における空間表現の分類と西洋近代絵画の事例分析
  第1節 絵画における空間表現
   1 絵画における空間表現の諸類型
   2 遠近法と逆遠近法
  第2節 遠近法と空間情報の伝達
   1 ミメーシスとイリュージョンの対立とその解決
   2 「受胎告知」を描いた作品の分析
   3 小括

第3部 時空間表現としての絵画
 第7章 絵画の発展における時間表現と空間表現──質的観察法と多変量解析による分析
  第1節 はじめに
  第2節 絵画における時空間表現についての質的観察法
  第3節 観察結果の多変量解析による分析
   1 数量化Ⅰ類による作品の制作年代と時空間表現の関連性の分析
   2 数量化Ⅱ類による様式と表現方法の関係の分析
   3 数量化Ⅲ類による表現方法の類別
  第4節 近代絵画史における遠近法と視点の合成
   1 近代西洋絵画と視点の合成
   2 遠近法と視点の合成──作例の分析
   3 小括
  第5節 19~20世紀における絵画の転換の分析
   1 西洋絵画の歴史的展開と時空間表現
   2 時空間表現の転換

 第8章 絵画表現の特徴と発達
  第1節 はじめに
  第2節 静止平面上の時空間表現としての絵画の特徴
   1 時空間表現としての絵画表現の根拠
   2 絵画表現と他の平面表現との区別
   3 絵画の表現能力と認知能力の学習による獲得
   4 奥行き知覚などの錯視の利用
  第3節 子どもの空間知覚
   1 「三つ山問題」の概要
   2 「三つ山問題」への批判
   3 小括
  第4節 幼児、児童における時空間表現としての絵画の発達と、類人猿絵画との比較
   1 児童絵画の発達──ケロッグによるスクリブル研究の検討
   2 類人猿における絵画表現
  第5節 絵画表現と人間性
   1 絵画表現における想像力の機能
   2 絵画のわかりやすさと難しさ

[著者紹介]※初版刊行時のものです
長尾寬子(ながお・ひろこ)
京都市立芸術大学美術学部美術科日本画専攻卒業。広島大学大学院教育学研究科文化教育開発専攻博士課程修了。博士(教育学)。中部大学現代教育学部准教授。二紀会準会員。

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内容説明

絵画は時間を表現できない空間芸術のように思えるが、実際には高度な時間の表現が工夫されてきた。豊富な図版と実例を通して、作品分析と心理学的根拠の両面から解明する。

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