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フォスタリングチェンジ

子どもとの関係を改善し問題行動に対応する里親トレーニングプログラム【ファシリテーターマニュアル】

フォスタリングチェンジ

子どもの問題行動への対応と関係性改善のための英国里親支援のトレーニング・プログラムマニュアル。

著者 カレン・バックマン
キャシー・ブラッケビィ
キャロライン・ベンゴ
カースティ・スラック
マット・ウールガー
ヒラリー・ローソン
スティーヴン・スコット
上鹿渡 和宏 監訳
御園生 直美 監訳
(特非)SOS子どもの村JAPAN 監訳
乙須 敏紀
ジャンル 福祉 > 社会的養護
出版年月日 2017/03/01
ISBN 9784571420627
判型・ページ数 A4・504ページ
定価 本体14,000円+税
 

目次

フォスタリングチェンジ・プログラムを実践する前の準備

セッション1 グループを創設し、子どもの行動を理解し記録する
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション1の概要
 5 セッション1の流れ
 6 評価

セッション2 行動への影響:先行する出来事および結果
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション2の概要
 5 セッション2の流れ
 6 評価

セッション3 効果的に褒める
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション3の概要
 5 セッション3の流れ
 6 評価

セッション4 肯定的な注目
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション4の概要
 5 セッション4の流れ
 6 評価

セッション5 コミュニケーション・スキルを使い、子どもが自分の感情を調整できるように支援する
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション5の概要
 5 セッション5の流れ
 6 評価

セッション6 子どもの学習を支援する
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション6の概要
 5 セッション6の流れ
 6 評価

セッション7 ご褒美およびご褒美表
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション7の概要
 5 セッション7の流れ
 6 評価

セッション8 指示を与えることおよび選択的無視
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション8の概要
 5 セッション8の流れ
 6 評価

セッション9 ポジティブ・ディシプリン(肯定的なしつけ)および限界の設定
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション9の概要
 5 セッション9の流れ
 6 評価

セッション10 タイムアウトおよび問題解決方略
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション10の概要
 5 セッション10の流れ
 6 評価

セッション11 エンディングおよび総括
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション11の概要
 5 セッション11の流れ
 6 評価

セッション12 肯定的変化を認め、自分自身をケアする
 1 基礎となる理論的内容
 2 グループワークを効果的にファシリテートする
 3 必要な機材および備品
 4 セッション12の概要
 5 セッション12の流れ
 6 評価

【付属資料】※弊社「データのダウンロード」ページ、または、当ページ「内容説明」欄にて下記資料データを入手できます
 1 事前里親家庭訪問およびコース評価のための手引き
 2 事前里親家庭訪問
 3 プログラム前評価質問冊子:小冊子1:コース前評価――子ども1
 4 プログラム前評価質問冊子:小冊子1:コース前評価――その他の子どもについて
 5 プログラム後評価質問冊子:小冊子2:コース後評価――子ども1
 6 プログラム後評価質問冊子:小冊子2:コース後評価――その他の子どもについて
 7 各セッション提示パワーポイント
 8 各セッション配布資料(プリント)
 9 修了証書


[著者紹介]
●カレン・バックマン
 養子縁組、パーマネント・ケア、国際養子縁組を専門とするソーシャルワーカーとして研鑽を積む。その後、子どもや家族との仕事をするなかで、家族の意思決定、子どものグループ、養子になっている子どもおよび養子の斡旋を支援するためのファミリー・ピクニックおよびトレーニング・セミナーなどの分野でさまざまな取り組みを企画し実践する。1990年代初めにソーシャルワーカーを辞め、ペアレンティング・トレーニング・プログラムの企画、立案、運営に集中し、現在はオーストラリアと英国でさまざまな重要なプロジェクトを推進している。その代表的なプロジェクトには以下がある。
・オーストラリアのコミュニティサービスや健康産業のための技能基準とトレーニング計画の確立。これらの業界におけるトレーニング・プログラムのために多くの指導書を執筆し、オーストラリア全土で使用されている。
・雇用者3万人、賞金総額6000万ポンドを超えるオーストラリアの競馬産業に対する物品サービス税(VAT)の導入。
 最近のカレンのプロジェクトとしては、2012年ロンドン・オリンピックのための就職斡旋および訓練機関である「ワークプレイス」の設立がある。2009年にロンドン大学キングスカレッジの精神医学研究所に招かれ、英国の154の地方自治体に向けたフォスタリングチェンジ・プログラムのためのファシリテーター養成の計画および立案、マニュアルの作成、実施要項の作成に携わる。

●キャロライン・ベンゴ
 資格を有するソーシャルワーカーとして10年以上の経験を持つ。法定機関およびボランタリーセクターの両方で勤務する。さまざまな民族的背景を持つ、さまざまな形態の家庭──実親家族、里親家族、養子縁組家族──のための仕事に従事し、豊富な経験を有する。
 1999年からは、委託されている子どものための仕事を専門に活動し、最初は専門的な里親事業に取り組み、次いで2002年に子どもと青少年の精神医療ソーシャルワーカーおよびフォスタリングチェンジ・プログラムのための共同ファシリテーターとして、モーズレー病院の素行障害・養子縁組・里親養育専門家チーム(Conduct Disorder Adoption and Fostering National and Specialist team : CAFチーム)に参加する。この間、里親家庭および養子縁組家庭を、彼らが直面する固有の困難な過程を通して支援することを専門に治療的に対応し、エビデンスに基づく介入──個人と家族への直接的ワーク──を行う。彼女はまた、養子縁組支援特別職員として2年間勤務し、親のためのグループの運営、目標を定めた介入の提供、養子になる前、またその後の追跡のためのカウンセリングなどを行う。
 その後CAFチームに復帰し、家族との臨床実践と、フォスタリングチェンジ・プログラム完成のために尽力する。マニュアルの改訂、ファシリテーターのためのコースの企画立案、そのイングランド全体への展開に貢献する。

●キャシー・ブラッケビィ
 ソーシャルワークについて学んだ後、長年にわたってロンドン特別区のさまざまな区で子どもと家族のために仕事をする。その後、メンタルヘルスの専門家となる。1990年代初めに、ソーシャルワーカーとして、モーズレー病院の素行障害・養子縁組・里親養育専門家チーム(CAFチーム)に参加する。
 その後、ロンドン特別区の貧困地区で子どものメンタルヘルス専門家として、情緒的問題や問題行動を抱える家族と子どもの治療に従事する。また彼女の仕事の大部分には、同じくエビデンスに基づく介入によって、親ならびに医療および教育分野で働く専門家をトレーニングすることも含まれる。
 その後CAFチームに復帰し、臨床専門家として従事する一方で、フォスタリングチェンジ・プログラムの改訂に参加する。同プログラムの効率的な普及を促進するために、イングランド全体の専門家をトレーニングするためのファシリテーター・コースの企画および運営にも携わる。

●ヒラリー・ローソン博士
 資格を有するソーシャルワーカー、カウンセラーであり、高等教育機関の講師でもある。地方自治体のソーシャルワーカーとして12年間勤務した後、ソーシャルワーカーのトレーナーとなり、その後オープン大学およびサセックス大学の高等教育機関に移り、ソーシャルワーカーの資格取得を目指して学ぶ学生のためにソーシャルワークについて教える。最近では、資格取得後のワーカーへのスーパーバイズという形で教えることを専門とし、ワークに基づく学習およびソーシャルワークの実践について教えている。実践教育および養子縁組後の関わりについての著作を含む多くの分野で著書がある。彼女は現在、若者に関する研究および講義を行うが、博士号を取得した研究も、大学進学過程における若者の学習とアイデンティティに関する研究であった。2009年以降、ソーシャルケア、実践教育、労働力開発に関する多くのコンサルタント・プロジェクトに参加する。最近の業績としては、ソーシャルワークを経験した若者の語りの収集(2011年に出版されるソーシャルワーク教科書のための)、フォスタリングチェンジ・プログラム・マニュアル(本書)の執筆、同プログラム普及のためのソーシャルケア専門家のトレーニングなどがある。

●スティーヴン・スコット教授
 モーズレー病院における児童思春期精神科コンサルタント。国立養子縁組里親養育クリニックの多職種チームで、養子縁組や里親養育でさまざまな問題を抱えている子どもや青少年を調査し、介入について提示している。彼はまたロンドン大学キングスカレッジ精神医学研究所の子どもの健康と行動分野の教授であり、国立ペアレンティング研究所の研究・発展部門の責任者でもある。
 ケンブリッジ大学医学部で学んだ後、小児科医として5年間勤務し、より幅広い観点から子どもの福祉に興味を持つようになる。問題を抱えている親と子どもに、集中的な1対1ワークからグループワーク、学校における予防活動など、幅広い実績のある解決法を使って支援を行っている。彼は、アタッチメント障害や反社会的行動など、社会的養護下に置かれた子どもの問題についての理解の改善、里親と子どもの関係性を改善し、若者の生活の質を高めるためのプログラムの開発と試験などを中心に研究を行っている。教育省の基金によって設立された多次元治療里親プロジェクト(Multidimensional Treatment Foster Care project)のナショナル・ディレクターであり、権威ある教科書Rutter’s Child and Adolesscent Psychiatry(5th edition, 2008:新版 児童青年精神医学、2015、明石書店)の編集者であり執筆者でもある。

●カースティ・スラック
 資格を有するソーシャルワーカーとして、法的機関およびボランタリーセクターにおいて10年以上子どもとその家族に直接接触し対処した経験を有する。ソーシャルワークの最前線で子ども保護調査を担当することからキャリアを始め、イングランド北部のフォスタリングおよび養子縁組チームで活動するようになる。その後、子どもと青少年のメンタルヘルスを専門とするようになり、地域や病院内の子どもとその家族のために活動する。認知行動療法およびアタッチメントの問題に強い興味を持ち、社会的養護下にある子どものための専門家グループを立ち上げ、彼らに影響を与えるさまざまな問題を探究する。そのなかでも特に、ストーリーを使って子どものアセスメントを実施し、治療を提供することで委託を支援し、委託の不調を防止することに尽力する。臨床専門家としてCAFチームに参加し、子どもと青少年のメンタルヘルスの枠内で活動し、フォスタリングチェンジ・プログラムの改訂に加わる。特に、ファシリテーター・コースの執筆とイングランド内での普及に尽力する。

●マット・ウールガー博士
 ロンドン、モーズレー病院の全国児童思春期精神医療専門家サービス(N&S CAMHS)の臨床心理士。現在、情緒的問題や問題行動を持つ子どもと青少年、そのなかでも特に社会的養護下に置かれた子どものアセスメントおよび治療を専門的に行う。ロンドン大学キングスカレッジ精神医学研究所で臨床心理学の臨時講師を務め、国立ペアレンティング研究所の上級研究員として、ペアレンティング調査プロジェクトの調整に携わる。
 ケンブリッジ大学卒業後、アンナ・フロイト・センターにおける親子のアタッチメントの縦断的研究によりユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで博士号を取得する。その研究では、小学校に入学するまでの子どものアタッチメントならびに情緒的および道徳的発達を追跡した。レディング大学ウィニコット・リサーチ・ユニットにおけるポスドク研究でも、アタッチメント、初期の養育、精神病理学の分野での研究を続ける。その後大学からモーズレー病院に移籍し、臨床心理士として研鑽を積み、ペアレンティング、アタッチメントおよび精神病理学の研究を続けながら、養子縁組里親養育専門家ナショナルチーム内で臨床心理士として活動している。


[監訳・訳者略歴]※初版刊行時のものです
上鹿渡和宏(かみかど・かずひろ)
児童精神科医、博士(福祉社会学)。慶應義塾大学文学部・信州大学医学部卒業、京都府立大学大学院公共政策学研究科福祉社会学専攻博士後期課程修了。静岡県立こころの医療センター、京都市児童福祉センター等を経て、現在長野大学社会福祉学部准教授。2015年8月から2016年3月までオックスフォード大学セントアントニーズコレッジ・アカデミックビジター、日産現代日本研究所・ビジティングフェローとして社会的養護に関する調査・研究に従事。

御園生直美(みそのお・なおみ)
臨床心理士、博士(心理学)。法政大学文学部卒業、白百合女子大学大学院文学研究科発達心理学専攻博士課程単位取得退学。2002年よりNPO法人里親子支援のアン基金プロジェクト理事。2006年白百合女子大学研究助手(助教)を経て、2009年より英国The Tavistock and Portman NHS留学。

(特非)SOS子どもの村JAPAN
「すべての子どもに愛ある家庭を」をスローガンに、「国連子どもの権利条約」や「国連子どもの代替養育に関するガイドライン」にもとづき、家族と暮らせない子どもとその危機にある家族のために、世界135カ国で様々な活動を展開する国際NGO「SOS子どもの村インターナショナル」のメンバー。日本では、専門家や市民、企業の支援を受けながら、里親制度を活用した地域に根付いた家庭養育と支援のモデル開発を行っている。さらに、里親家庭のための「フォスタリングチェンジ・プログラム」の導入や、「子どもの遊びプログラム」などの支援プログラムを開発・展開している。また、地域で困難を抱えた家族のための相談支援機関である「福岡市子ども家庭支援センター『SOS子どもの村』」を運営している。

乙須敏紀(おとす・としのり)
翻訳家。九州大学文学部卒。西洋史、心理学、美術などの分野を専門とする。

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内容説明

社会的養護下の子どもを養育する里親が抱えるさまざまな問題に対応するために、エビデンスに基づいて設計された英国唯一のプログラムを実践するための養育里親マニュアル。

付属資料(1~9) ダウンロード(46MB)

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