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アピアランス〈外見〉の心理学

可視的差異に対する心理社会的理解とケア

アピアランス〈外見〉の心理学

外見(アピアランス)に問題を抱える人々の心理社会的不安と困難に焦点を当て、介入・支援の可能性を探る。

著者 ニコラ・ラムゼイ
ダイアナ・ハーコート
原田 輝一
真覚 健
ジャンル 心理 > 医療・看護
心理 > 社会心理
医療 > 医療
教科書 > 参考図書 > 心理
出版年月日 2017/05/25
ISBN 9784571250491
判型・ページ数 A5・350ページ
定価 本体5,000円+税
 

目次

序文
 この本の構成/著者について/この本において使用される用語について/さらに知りたい読者のために

第1章 外見にまつわる諸問題――外見研究の歴史
 美の判断と他者にとって魅力的であることへの願望――その昔と今
 外見の特徴から道徳性やパーソナリティを判断すること
 可視的差異に対する反応
 外見の心理学に関する文献の登場
 身体の外見に基づいてなされる判断
  魅力――好感、恋愛、長期にわたる人間関係/顔の外見と刑事裁判制度/顔の外見と教育システム/大人に対する子供の顔の外見の影響力、そして外見に基づいて子供が行うステレオタイプ化/顔の外見・説得力・広告・雇用
 外見の異なる局面における相対的影響力
  身体イメージに関する研究/外見の変形に関する心理学文献の登場
 第1章のまとめ
 論点

第2章 この分野の研究者たちが直面する課題
 背景となる仮定
 外見研究において神経を遣うこと
 研究資金
 参加者のサンプリングと募集
  さまざまな文化的・人種的集団からの参加者募集/学生のサンプル/可視的差異を持つ人々の募集/多施設研究
 参加者を均一な集団として概念化すること
 比較群と対照群
 データ収集のタイミング
 データ収集の環境背景
 研究方法
  実験的研究/魅力の測定/自己報告研究/縦断(長期的)研究/無作為化比較試験(RCT)
 適応に含まれる変数の多様性
 理論とモデル
  健康心理学において一般的に使用されるモデル/外見に関連するモデル/状態(疾患)や治療に特化したモデル/モデルの使用/外見研究と実践を導くための枠組み
 研究方法の範囲の拡大
  定性的アプローチ/フォーカス・グループ/視覚的方法/観察的方法/混合法/アクションリサーチ
 研究成果の流布
 結論
 第2章のまとめ
 論点

第3章 可視的差異を持たない人々にとっての外見とイメージの問題
 外見への不安
 外見と生涯にわたる諸問題
  幼少期/児童期/思春期/成人期/高齢者
 結論
 第3章のまとめ
 論点

第4章 可視的差異に伴う心理的困難
 変形の定義
 可視的差異をもたらす原因
  先天性の変形/後天性の障害
 可視的差異にはどのような困難が伴うのか?
  発達段階に関連した諸問題/可視的な先天性疾患の診断/小児期における自己概念の発達/小児期における社会的相互関係と行動における困難/他者からの反応/治療における諸問題/青年期/成人期/高齢者/生涯にわたる潜在的なストレッサーとしての変形/状態に固有の影響/癌/熱傷/皮膚疾患/関節リウマチ/刺青(タトゥ)
 結論
 第4章のまとめ
 論点

第5章 脆弱性とリジリエンスに関する心理学的予測因子
 疾患へ関連づけるアプローチに替わるもの
 リジリエンス
 苦悩を悪化させる因子と緩和する因子
  可視的差異の原因と身体的特徴/社会文化的かつ人口統計的な諸要因/適応における認知過程の役割
 結論
 第5章のまとめ
 論点

第6章 外見に関連する不安への支援・介入の現状
 一般人を対象とした支援・介入
  外見の自己管理/セルフヘルプ・グループとボランティア支援グループ/プライマリケア(初期治療)を通じての支援/美容目的の手術的・非手術的治療
 可視的差異を持つ人々への支援と治療
  地域やボランティア・セクターによる支援/ヘルスケア体制を通じての介入/カモフラージュ・サービス
 生物医学的アプローチの限界
 心理社会的ケアの提供
 法的介入
 結論
 第6章のまとめ
 論点

第7章 より有効な支援と介入の可能性
 一般の人へ向けた介入
  メディア/健康増進キャンペーン/学校教育への介入/ヘルスケア提供体制における支援
 可視的差異を持つ人々への支援の改良
  全般的な心理学的支援/専門家によるサービス/新しい可能性
 可視的差異に対する学校ベースでの介入
 包括的ケア体制に向けて
 結論
 第7章のまとめ
 論点

第8章 結論、ジレンマ、そして引き継がれる課題
 今後の課題
  外見問題を理解し研究することの重要性の啓発/外見の問題に対して、前向きな課題を生み出すこと/ケア提供体制の改善/外見に対する態度を変えること/理論と研究の発展
 現在のジレンマ
  身体の魅力の基準に与える技術の影響/ヘルスケアにおける新しい技術


[著者紹介]
ニコラ・ラムゼイ(Nichola Rumsey)/ダイアナ・ハーコート(Diana Harcourt)
2017年5月現在、イギリスの西イングランド大学University of the West of England(ブリストル)のアピアランス研究センターCentre for Appearance Research(CAR)共同監督者Co-Director(教授)。本書出版時(2005年)には、ハーコートは講師であった。

[訳者紹介]※初版刊行時のものです
原田輝一(はらだ・てるいち)
医師、著作家
主に外傷・熱傷の急性期~回復期治療に従事するかたわら、外見にハンディキャップを負った人々の社会復帰を研究してきた。現在、医療法人生登会てらもと医療リハビリ病院内科・リハビリテーション科、寺元記念病院形成外科に所属。地域包括ケアにおける医療福祉連携領域へ、学際的技術の応用を目指している。

真覚 健(まさめ・けん)
宮城大学看護学群教授
専門領域は認知心理学。東北大学文学部助手、同講師、東京女子大学文理学部助教授、宮城大学看護学部助教授、同教授を経て現職。類似性など顔についての認知心理学的研究を行う。口唇口蓋裂者の表情表出とそこから得られる印象についての研究から、可視的差異のある顔での笑顔表出の効果の究明に取り組んでいる。

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内容説明

人の健康や幸福に深く関連する外見(アピアランス)。病気や外傷等により外見に問題を抱える人々の心理社会的不安と困難に焦点を当て、介入・支援を通じての対処法を検討。

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