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親があっても子が育つ  新刊

描画などモノから見える家族

親があっても子が育つ

家族を変えるために描画・食卓・家系図などのモノを介して家族を揺さぶり治癒へと導く過程が描き出される。

著者 石川 元
ジャンル 心理 > 臨床心理
出版年月日 2018/06/25
ISBN 9784571240690
判型・ページ数 A5・230ページ
定価 本体2,500円+税
 

目次

序 章 親があっても子が育つ

第一章 家族の内容ではなく家族という形式こそ重要
 はじめに――「家族」とは何か
 1 「家族」をひとつの集まりとして捉える
 2 図式化できる「モノ」に注目――お金の流れ
 3 もうひとつの重要な、家族にとっての「モノ」――家系図を見る
 4 家族関係をモノのレベルで一括して単純に捉えると対応法が見付かる
 5 モノを捉える仮想数式――嫁姑の争いも構造上の齟齬(そご)

第二章 絵に現れた「家族」――「モノ」としての家族画
 1 ポローの症例ジョゼ
 2 ポローの定式から
 3 さまざまな家族画から――症例をもとに
  パパっ娘の反抗/タイムワープ/「あの家唯一のまとも」/期待しないよう後ろ向き/願望が語る現実/前提があって見えてしまうこと
 4 自らの気付きを生む
 5 相互作用を「差」でみる
 6 家族で家族を描く(合同家族画)
 7 父親不在ではなくなった生活の悪影響か
 8 妻の低い評価が夫の浮気を鼓舞する
 9 閉じ込められた鳥の意味
 10 個々の寄せ集めでしかない集団

第三章 家族画など「モノ」を多用した家族面接の実際
 1 過保護の関係を遮断する
 2 症例研究――不潔恐怖の女子高校生
  「何十回も手を洗う」と訴え受診/母親の異常な温かさにメス/合同家族画の利用――全員との面接で絵を描く/母親との電話禁止も延長/明るさ戻りボーイフレンドもできる/再発を乗り切る/症例のまとめ

第四章 神経性やせ症を抱える家族にとっての「モノ」
 1 これまでの整理
 2 カレン・カーペンターの凄絶な死――神経性やせ症
 3 神経性やせ症のC嬢
 4 家族関係を映し出すモノとは何か
 5 症例研究――神経性やせ症の19歳女性へのディナー・セッション
  現実にはすでに存在しなくなっていた「食卓」/ミニューチンの治療をアレンジする/夫婦喧嘩というテーマを思いつく/動き出した体重/「過食する」の主語を変える
 6 症例研究――神経性やせ症前思春期の少女での「食べない」演技
  「食卓」利用、もうひとつの方式
 7 「食卓」利用の2症例でのアプローチを図解してみる
 8 神経性やせ症でのサークル
 9 家族成員の受け取り方を図解してみる
 10 悪循環回路に設けられたスイッチ

第五章 モノとしての「体重」、そのものを利用した症例
 1 神経性やせ症の個人病理――これまで報告されてきた特徴
 2 神経性やせ症の家族病理――これまで報告されてきた特徴
  直線因果律/円環因果律
 3 家族システム・モデルを利用した治療
 4 症例研究――後妻と前妻家族との「体重」対決
  頑張るほどに堂々巡りに陥る家族/モノとしての「体重」/猫をかぶっている/複雑な継三世代/継母に演技をするよう指示/自動販売機、不発に終わる/他人の子だと諦める/外泊で元の木阿弥/継母もつらい立場にあった/三世代で面接/良かれ悪しかれ体重/患者さんも風見鶏/本人の希望を汲み退院へ/まとめ

第六章 演技の「台本」――キャンセラーのコツ
 1 「実際の家族」は複数
 2 家族のなかのキーパーソン
 3 「演技」のために構造を重視
 4 症例研究――台本を書いてきた神経性過食症の娘
  ジュースの量にこだわる/主役のドロップアウト/スタッフが「家族」を演じる/治療目標が変わる/「演技」が効果を発揮する条件

第七章 「同じ釜の飯」――食卓のレシピで自己治療
 1 家族には使わない「同じ釜の飯」
 2 症例研究――外来に食卓を設定
  にきびが異常食行動のきっかけ/「食卓」で食事の話題はタブー/タブーでなくなった食事の話題/初めての家計簿/母親が翳(かざ)す紋切り型解決策/そうだ、レシピで行こう/予期しない手紙に感激/食べっぷりはまるで別人/相手を支配する母親なんて奈辺(なへん)にでも居る

第八章 モノとしての家系図Ⅰ――「家」と登校しない症状
 1 学校恐怖症、登校拒否、学校脱落、不登校
 2 今や古典となってしまった学校恐怖症
 3 道に迷っているだけの時期
 4 症例研究――登校しない小学生女子
  「分離不安」型症例と家族/娘の動作に即時反応して母親が描き加えた結果/罪悪感に由来する過剰な言葉
 5 症例研究――登校しない中学生男子
  「思春期危機」型症例と家族/祖父母がこだわる先祖供養/家系図の臨床応用/時空を遡(さかのぼ)るブーメラン/ジェノグラムとは/日本の家系図、その特徴/「ご先祖様」と「跡取り」/タイト・スカートとフレア・スカート/家庭内での地位向上

第九章 モノとしての家系図Ⅱ――登校しない症状以外での応用
 1 ここまでのまとめ
 2 症例研究――自己臭恐怖の女子中学生
  拡がる匂い/三世代家系図の導入/「役好き」と家庭中心との相剋
 3 症例研究――精神病嫌いの専業主婦
  親戚の家を焼き自殺/舅の艶聞/法事をどこで行なうか/精神病を抱える義弟たちへの偏見と恐怖/家系を捏造(ねつぞう)して症状を消す/ニセ家系図のままでよいのか
 4 症例研究――神経性やせ症の女子医学生
  神経性やせ症の象徴としての意味を家系に探る/夫婦それぞれの異性観/こころと身体/新婚時代に戻って喧嘩/かすかな手応え
 5 症例研究――神経性やせ症の女子高校生
  八面六臂(はちめんろっぴ)な家系図/公共電波に乗って「家系」を分断/いざ放映/無事に退院/父親は長姉に敬語/もう外来を受診しない家族への課題

終 章


[著者紹介]※初版刊行時のものです
石川 元(いしかわ・げん)
1948年 名古屋市生まれ
1976年 東京慈恵会医科大学卒。精神科医
浜松医科大学医学部附属病院精神科医長在任中、描画療法と家族療法の普及に貢献しそれぞれの学会を設立。その後、米国国立精神保健研究所招聘研究員、香川大学医学部附属病院子どもと家族・こころの診療部教授を歴任
現 在 香川大学医学部名誉教授。大西精神衛生研究所附属大西病院で子ども外来を主宰

〈編著書〉
『アスペルガー症候群を究める』(編)至文堂 2006年、『こころの時限爆弾』岩波書店 1998年、『「家族」と治療する――私の家族療法を振り返る』未来社 1990年、『家族絵画療法』海鳴社 1983年、他多数
〈訳 書〉
マクゴールドリック他『ジェノグラム(家系図)の臨床――家族関係の歴史に基づくアセスメントと介入』(共訳)ミネルヴァ書房 2009年、ルージー他『学校におけるADHD臨床――現場で援助する実務家のための工夫』(共訳)2012年、ブリス他『アスペルガー症候群への解決志向アプローチ――利用者の自己決定を援助する』(共訳)2010年、ディ・レオ『絵にみる子どもの発達――分析と統合』(共訳)1999年、以上誠信書房

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内容説明

思春期やせ症や不登校等の悩みを抱える家族を描画・食卓・家系図等のモノを介して揺さぶり治癒へと導く過程が描き出される。描画療法・家族療法の第一人者による渾身の書。

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