
目次
1 統合と特別なニーズ
だれのための療育か/子どもの将来のために本当に必要なこと
日常の生活や遊びの中で成長を促すインクルーシブ保育
2 障害の重い子どもたちの保育
脳性麻痺の4歳児/脳に重い障害のある3歳児
障害児の発達の段階を丁寧にたどる大切さと発達の過程を共有することの意義
第2章 集団と子どもの育ち
1 子どもは集団の中で育つということの意味
障害児とともに育ちあう子どもたち/子ども同士が関わり合う場としての保育所
2 障害児を含む子どもたちの育ち
子どもたちが障害児を受け入れていく過程
3 障害児を含む集団の形成
障害への違和感と不協和/障害児を含む集団におけるダイナミクス(力動関係)
集団内での愛着形成/集団ダイナミクスと情緒的関わり
子どもは自己の矛盾や葛藤を受け止めて自我が育つ
4 保育所での子どもたちの姿
日々の保育で培われる子どもの力
第3章 「自閉症」の子どもたち
1 気になる子どもたち
自閉症の診断名と診断基準の変遷/ASDの知的発達と感覚過敏・興味の偏りとの関係
「自閉症」の世界
2 障害児保育事例
第4章 ASD児の愛着行動
1 愛着理論の研究とASD児
愛着研究の発展/ASD児の愛着行動に関する研究
2 愛着の質的研究
ASD児の愛着行動についての調査/ASD児の社会適応と心の問題
3 ASD児の愛着と対人関係
保育士との愛着形成/愛着関係と相性
愛着関係からの基地形成/愛着関係を基盤とした保育・養育
第5章 ASD児の自我形成
1 自我形成と愛着
乳幼児の自我発達過程
2 ASD児の自我構造
3 ASDにとって「心の成長」とは
ASD児たちの「心の成長」/「心の理論」と「気づき」
「心の成長」のプロセス
4 ASDの自我形成における課題へのアプローチ
5 ASDの訓練と自我の育ち
6 ASDと対人関係の障害
7 高機能ASD児Wくんの保育所での育ち
第6章 治療的介入
1 ASD児へのアプローチ
ASD児の認知/共感的介入
自然発生的な介入/治療的介入の注意点
2 ASD児のグループプレイセラピーによるメンタライジングと情緒交流の形成
グループプレイセラピーの概要/プレイルームの基本的構造とセラピストの役割
自由空間としてのプレイルームの仕掛け/子どもが集団に参入することにより生じるトラブルの意義
破壊行為から集団参加、そして「主体」の形成へ
3 高機能ASDのケア
高機能ASDの増加/ASDの精神療法的アプローチ
発達課題と発達支援/高機能ASD児の予後
法的整備と福祉施策の進展、そして新たな課題
第7章 ASD児を取り巻く集団形成
1 ASD児とクラスの子どもたちの関わり
2 集団内で気になる子ども
子どもたちのさまざまな「気になる」様子/人との関わりに障害を持つ子どもたち
3 ASD児の保育
ASD児の保育の留意点/ASD児の保育における情緒的交流の重要性
4 ASD児の保育所集団への早期参加の意義
ASD児の早期集団参加に不可欠な愛着対象の存在/「慣れる」ことに時間をかける
保育所の生活の中で身につく社会的行動/保育所におけるASD児の特徴的な行動とその背景
保育所における集団参加の利点
5 保育者の自己実現
ときには子どもとの相性を優先する/子どもとともに育つ自己達成感
6 ASD児の生活の質(QOL)を変える
[著者紹介]※初版刊行時のものです
廣利吉治(ひろとし・よしはる)
東海学院大学客員教授。関西大学大学院社会学研究科修士課程修了後、1974年から東大阪市保育研究室にて障害児の養育相談および自閉症児のプレイセラピーや保育・教育現場への巡回相談に携わる一方、大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室にて自閉症児の研究を続ける。1992年に「自閉性障害幼児における愛着行動の形成についての横断的研究――H式障害幼児評定尺度「HRSH」による」で博士号(医学)取得。その後、宮城学院女子大学教授等を経て現職。
臨床心理士として小学校や保育所との連携・支援活動を続け、愛知県岡崎市で「ぽぴーこどもの発達とこころの相談室」を主宰。
主な著書に、『気になる子どもの保育と育児』(共著/福村出版 2001)、『発達心理学――健やかで幸せな発達をめざして』(共著/丸善出版 2015)など。




