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高等学校における〈学習ケア〉の学校臨床学的考察  新刊

通信制高校の多様な生徒に対する学習支援と心理的支援

高等学校における〈学習ケア〉の学校臨床学的考察

通信制高校の特徴と課題を実際の支援を通して明らかにし、生徒の真のニーズと学習を介した関わりの意義を問う。

著者 土岐 玲奈
ジャンル 教育 > 教育学
出版年月日 2019/01/15
ISBN 9784571101861
判型・ページ数 A5・248ページ
定価 本体4,000円+税
 

目次

序章 問題背景――高校生の学習困難と通信制高校の役割
 1 「困難を有する子ども・若者」支援の場としての学校
  (1)「困難を有する子ども・若者」支援のプラットフォーム
  (2)日本における「インクルーシブ教育」
  (3)学校における「インクルージョン」とその対象
  (4)「学校からの排除」という問題
  (5)学校教育の「非連続」
  (6)セーフティネットとしての後期中等教育機関
  (7)セーフティネットとしての高校における中退問題
 2 「高校全入」と高校が担う役割の変化
  (1)「適格者主義」から「ユニバーサル化」へ
  (2)生徒の多様化に対応した「新タイプの高校」
  (3)個別の教育的ニーズに対応する高校へ
  (4)中途退学に対する教員の意識
  (5)“三重に引き裂かれている”中等教育の課題
 3 セーフティネットとしての通信制高校への期待
  (1)セーフティネットとしての通信制高校
  (2)通信制高校の教育制度
  (3)高校における「通信教育」の設置目的と方法上の限界
  (4)公立高校と私立高校における異なる課題
 4 高校における「学習」と「教育」
  (1)「学びの放棄」という課題
  (2)新たな学力観と高校教育の目的
  (3)社会への移行支援としての高校教育
  (4)学習支援に関する先行研究

第I部 研究の目的と方法
 第1章 問題と目的――なぜ「学習支援」なのか
  1 本書の目的
   (1)高校中退に関する統計調査の課題
   (2)通信制高校の「多様性」
   (3)通信制高校における教育の実態
   (4)通信制高校における生徒の学習支援ニーズ
   (5)関係構築から学習支援プロセスに至る包括的検討
  2 本書のリサーチクエスチョン
 第2章 研究方法――「学校臨床学」的研究の方法論
  1 本章の目的
  2 臨床とは何か
  3 近代科学的研究と臨床的研究のパラダイムの相違
  4 トライアンギュレーション――方法を限定しないという方法
   (1)従来のエスノグラフィー
   (2)臨床的エスノグラフィー
  5 方法論のまとめ

第II部 データから見る高校の現状
 第3章 高校中退に関する統計データの再検討
  1 文部科学省および東京都データによる課程別高校生在籍状況推移把握
   (1)問題設定
   (2)結果と分析
   (3)まとめ
  2 単位制高校における生徒の在籍状況推移把握の試み
   (1)問題設定
   (2)結果と分析
   (3)まとめ
  3 通信制課程の設置数・生徒数および在籍状況の推移
   (1)問題設定と調査の方法
   (2)通信制高校設置数と生徒数の推移
   (3)通信制高校における生徒の卒業・中退状況
   (4)まとめ
 第4章 通信制高校の類型と機能
  1 問題設定――通信制高校の「多様性」とはどのようなものか
  2 調査方法
  3 通信制高校の登校形態による類型
   (1)従来型
   (2)集中型
   (3)ダブルスクール型
   (4)通学型
  4 まとめ

第III部 通信制高校における学習困難と支援
 第5章 公立通信制高校における教育の特徴と課題
  1 問題設定――生徒の困難と教員による支援の難しさ
  2 調査の方法と対象
   (1)調査方法
   (2)調査対象校の概要
  3 結果
   (1)A高校における教員-生徒関係の特徴
   (2)学習支援につながりにくい生徒の実態
   (3)A高校における対人関係の特徴――「希薄さ」のメリット
   (4)卒業に至った生徒に対して行われた支援
   (5)生徒支援の充実によってもたらされたジレンマ
  4 まとめと考察――「包摂による排除」の先にあるセーフティネットとしての「従来型」通信制高校
   (1)結果のまとめ
   (2)支援を受けた生徒の実態と在籍年限の問題
   (3)「関係の希薄さ」のメリット――非排除/非包摂という最後の砦
   (4)支援が難しい生徒の実態
   (5)生徒の実態把握と個別対応の重要性
 第6章 公立通信制高校生の学習困難と支援
  1 公立通信制高校生の学習困難
   (1)問題設定
   (2)調査の方法と対象
   (3)結果
   (4)まとめ
  2 公立通信制高校におけるボランティアによる学習支援
   (1)問題設定
   (2)調査の方法と対象
   (3)結果
   (4)まとめ
 第7章 私立通信制高校における学習支援
  1 問題設定――「学習支援室」からは見えない生徒への着目
  2 調査の方法と対象
   (1)調査方法
   (2)調査対象校の概要
   (3)調査実施者の概要
  3 事例にみる学習支援過程
   (1)事例の背景
   (2)トラブル発生、空白期間が生じる
   (3)学習支援を求めるようになる
   (4)自習が可能になる
  4 まとめ
   (1)事例の経過
   (2)B高校における指導
   (3)B高校における「ケア」
   (4)「3年で高校を卒業できる」ことの長短

終章 総合考察
 1 結果と考察
  (1)学校教育の「非連続」の把握に関する課題
  (2)通信制高校の類型
  (3)公立通信制高校における教育の特徴
  (4)通信制高校生の学習困難と支援
  (5)通信制高校における学習支援のプロセス
 2 困難を有する子ども・若者を受け入れる高校における教育の展望
  (1)通信制高校教育の教育理念
  (2)困難を有する子ども・若者を受け入れる公立通信制高校における教育の展望
  (3)〈学習ケア〉のあり方
 3 通信制高校が抱える課題と研究の展望
  (1)ミスマッチの解消
  (2)通信制高校の実態把握に際して求められる視点
 4 本研究の課題


[著者紹介]※初版刊行時のものです
土岐玲奈(とき・れいな)
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科修了。博士(教育学)。現在、上智大学共同研究員、埼玉大学他非常勤講師。専門は、教育相談、学校臨床学。研究テーマは、通信制高校の教育実態と、困難を抱える子ども・若者に対する学習支援、通信制高校において教員が直面している困難。
主な著書に、『続・移行支援としての高校教育』(分担執筆、福村出版、2016年)、『通信制高校のすべて』(分担執筆、彩流社、2017年)。主な論文に、「公立通信制高校における包括的生徒支援」『日本通信教育学会 研究論集』(2018年)がある。
2017年6月より2018年3月まで、文部科学省「広域通信制高等学校の質の確保・向上に関する調査研究協力者会議」の委員を務めた。

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内容説明

困難を抱える子ども・若者の教育の受け皿として多様化する通信制高校。その特徴と課題を実際の支援を通して明らかにし、生徒の真のニーズや学習を介した関わりの意義を問う。

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